スクリプトの基本的なルールと組み方の考え方を最初に知っておくと、組むときが楽ちんになります。

 コメントは、//をつければその行だけがスクリプトに影響を及ぼさないメモになり、長文の場合は”/*ではじまり*/で終えるようにします。後者は閉じ忘れに注意が必要ですが、FLASH上でコメントは色が変わって表示されるのでわかるかと思います。灰色で表示されるかと思います。

 色が変わるものとしては、最初から定義されているメソッドやプロパティの種類、関数など(gotoAndStopや_xなど)が青地で表示されます。大文字小文字を間違っていたりスペルミスがあると色が付きませんので、エラーの際など読み返すのに便利です。最初から定義されているものなど特定の文章には、大文字小文字の区別があるので、注意が必要です。ただしコレは表示の問題だけで、たとえばgotoAndStopをGOTOandSTOPと書いても、動作は正常に終了します。ただし色が変わって表示されないので、スペルミスの場合などが気づけなかったりします。見易さの問題もありますので、出来れば標準の構成で記入した方がいいでしょう。
 また、一部のキーワードのみ、大文字小文字が違ってはいけない物があります。ifやvar、functionなどがそうです。

 スペースは半角のみ。全角スペースがどこかに入ってるだけですべてが動かなくなります。コメントなどを入れた後についつい全角スペースを入れてしまう事もあるので、エラーが出たらスペルミスチェック、その次にスペースのチェックをするのが良いと思います。

 行の終わりは;をつけますが、つけなくても動きます。これはもうステートメントの終了を見る人にわかりやすくするためだけの物かと。

 FLASHはオブジェクト指向なので、何をするにしても、その命令がどのオブジェクトに対してなされるかの指定をしなければいけません。FLASH4以前やFlashLite1.xは、スクリプトが書かれたオブジェクト自身を参照する際に、特に何も書かなくても良かったのですが、FLSH5以降は必ず自分自身を参照する場合も「this(このオブジェクト)」など、何に対して命令を出しているのだということを明確に指示しなければいけなくなりました。

 オブジェクトに命令を出す際にわかりやすくするため、インスタンスや変数にはそれぞれ名前を付ける事ができます。名づけのルールとして、自分がわかりやすいというだけでなく、つけてはいけない名前や文字があります。

・ActionScriptですでに定義されている名前(varやfunctionなど)
・全角が使えないので、必ず半角英数字に
・_以外の記号は使えない(特に演算子とかはダメ)途中に入ってもダメ
・数字が最初に付く名前 後ろや中に含まれるのは大丈夫

 変数や関数はそれぞれのMCオブジェクトで独立しているので、上記ルールさえ守っていれば、MCオブジェクトが別であればそれぞれの内部で同じ名前を使っても構いません。むしろ、すべてのMCクリップで共通になる変数や関数を作る事ができません。

 変数の名前が出ているのでついでに。たぶんコレの扱いが一番混乱すると思いますし。
 変数にはグローバル変数とローカル変数があるという事は、先の記事の用語解説に出ていたと思います。
 詳しく説明していきますと、MCオブジェクト内にそれぞれ自由に変数を定義する事ができます。定義された変数はそのMCオブジェクト内でだけ有効という事をまず覚えていてください。外にはみ出す事はありません。

 さてその変数2種類ですが、それぞれずっと値が残るものとその場で消えるものに分類されます。
 グローバル変数は名前の通りグローバルなので、そのMCオブジェクトが存在する限りずっと値が保持されます。しかしローカル変数は関数の{}内でだけ使用され、用が済んだら値が消えてしまうという変数になっています。
 グローバル変数とローカル変数の作り方の前に、まずは変数の作り方。

var neko;

 varというのはステートメントと呼ばれる、ActionScriptに最初から入ってる命令の一種で、ローカル変数やタイムライン変数を宣言する場合に使用します。これでnekoという名前の変数が出来上がり。var neko =0;とすればついでに初期値も入れられます。しかし実は

neko = 0;

 でもneko変数は出来てるし、初期値に0が入ります。となるとこのvarに何の意味があるのか?という事になりますよね。
 上記二つの文で作られた変数は、どちらも自働でグローバル変数になります。
 
 実はローカル変数を扱う必要があるのはfunction(関数)内だけ。つまり、function内でvarをつけて変数を作った場合のみ、その変数はローカル変数になるのです。
 
function nukosama(){
var neko = 0;
  inu = 0;
}

 関数nukosamaの中でneko変数が一時的に使われる状態の出来上がり。inu変数はvarがついていないので、グローバル変数になります。

 varは変数を定義するときに付けるもの、というルールで使っていってもいいのですが、function内で使ってしまうとその変数がローカル変数になってしまうので、基本はグローバル変数では付けず、ローカル変数には付ける、というのが良いのではないかと思います。

 グローバル変数でvarを付ける時は、その変数に型指定を厳密に付ける場合などになります。

メモ : 外部スクリプトのクラス定義の中でプロパティを宣言する際にも、var を使用する必要があります。クラスファイルでは、変数のスコープとしてパブリック、プライベート、スタティックがサポートされます。 (ヘルプより引用)

 これらのルールがわかれば、サンプルスクリプトなどを見たときに変数で混乱する事はないのではないかと思います。